株式会社 龍神マッシュ – Happy Worker

　しいたけ栽培による龍神地域の活性化を目指し、平成２０年に創業。良質の水、きれいな空気、昼夜の寒暖差が大きい盆地特有の気候など、しいたけの栽培に最適な条件がそろう土地で、「龍神ならではのしいたけ」を心を込めて作っています。
　当初は、ハウス１基、従業員３名からのスタートでしたが、多くのお客さまにご愛顧いただいたおかけで、創業から１０年を経て、ハウス１４基、従業員２０人の規模になりました。
　創業以来、「しいたけを龍神の特産品に！」という目標のもと、笠の直径が１０センチを超える肉厚の土産物・進物用のしいたけの生産・普及に力を入れてきましたが、最近では、スーパーなどを通して家庭の食卓に届けられる通常サイズのしいたけの生産も強化し、販路の拡大に取り組んでいます。
　廃校になった地元の中学校の跡地を社屋・ハウス敷地として有効活用する事例としても注目されています。

　会社の事業を通した地域活性化を実現するために、職場環境づくりの面で欠かせないことが２つあると考えました。
　１つは、若い世代の社員の子育て支援。地域活性化のためには、若い世代に「龍神は住みやすいところだ」という意識を持ってもらうことが不可欠。そのためには、龍神で安心して子供を産み育て、働いて豊かに生活できる条件づくりが必要だということで、子育て世代の女性社員を積極的に雇用し、仕事と家庭の両立支援に取り組むようになりました。
　もう１つが、高年齢者に活躍の場を提供すること。龍神には、働く意欲とパワーのある高年齢者の方がたくさんいます。ぜび、そのパワーをしいたけづくりに活かしてもらいたいと考え、高年齢者の雇用にも積極的に取り組むようになりました。

●女性の活躍推進

　収穫後のしいたけの選別や袋詰めの作業は、きめ細やかな観察眼、集中力、持続力など、女性の特長が活かせる仕事であるため、子育て中の女性社員を中心に担ってもらうようにしています。女性社員の丁寧な仕事ぶりが、商品の魅力アップにつながっています。

●仕事と子育ての両立支援

　子育て中の女性社員には、子供のことを第一に考え、子育てを優先してもらうため、勤務時間や休憩の扱いなどを中心に、柔軟な働き方を認めています。
　たとえば、子供が学校から帰ってくる１５時頃に仕事を終えて帰宅できるように、時差出勤や育児短時間勤務などの制度を導入し、柔軟な勤務時間を設定しています。
　また、子供のことで急用が入り、外出が必要になったときには、勤務時間中であっても、タイムカードを打刻して勤務時間外の扱いとし、外出できるようにしています。
　必要がある場合には、子連れ出勤も認めるようにしており、子供をケアしながら安心して働ける環境を整備しています。

 ●高年齢者の活躍推進

　しいたけを栽培するビニールハウスの管理の仕事は、早朝の時間帯から人手を欠かすことができず、切れ目のない、きめ細やかなケアが必要となるため、比較的時間に融通のきく６０代～７０代の社員を中心に担ってもらっています。
　勤務時間帯を早朝から昼頃までに設定するなど、高年齢者の生活のペースや体力にも配慮した働き方を可能としています。
　しいたけのハウス栽培は、しっかりケアする必要がある反面、あまりにケアしすぎるとうまく育たないという意味で、人の子育てに似た面があり、微妙なさじ加減がものをいうため、６０代～７０代の豊富な人生経験が活かせる仕事です。この世代の社員からは、「毎日、ハウスに来るのが楽しみだ！」「生きがいが見つかった！」という声をもらっています。

 ●業務の効率化

　ハウス管理の仕事は、長時間にわたる切れ目のないケアが必要となります。そのため、各ハウスの担当者は決めていますが、担当者が不在になったときにも、他の社員がカバーすることでハウスのケアに穴があかないように、情報共有と引継ぎを徹底しています。その結果、誰がどのハウスを担当しても適切なケアができる体制となっており、誰かが休暇を取得する場合にも、お互いにしっかりとフォローすることが可能となっています。

原さん

　収穫されたしいたけの袋詰めや出荷を担当しています。
　子供が保育園に入るまでの時期（生後６か月から２歳まで）、育児短時間勤務制度を利用しながら、子連れ出勤をしていました。
　育児に手がかかる時期も働くことができたのは、周囲の人のサポートのおかげです。いろいろな面で助けていただき、とてもありがたかったです。
　今後、他の人が同じような状況になった場合には、今度は自分がしっかりとサポートできるように心がけていきたいです。

　会社を立ち上げて１０年。素晴らしい出会いがたくさんありました。普段から事業に協力していただいている地域の皆さま、「おいしいかった！」といううれしい声を届けていただいた多くのお客さま、ともに苦労と喜びを分かち合ってきた会社の仲間、ＰＲを後押ししていただいていた行政の担当者の皆さま。これらの方々との出会いに恵まれ、ここまで来ることができました。
　これからも、１つひとつの出会いを大切にし、「心を込めたしいたけづくり」「子育て支援」「高年齢者の活躍推進」を通して龍神地域の活性化に貢献できるよう、がんばっていきたいと思います。