「初の現場女子」から「初の女性マネジメント職」へ
鴻池運輸株式会社和歌山支店に新卒で入社し、製鉄所の請負現場配属の女性社員第1期生として職場に新しい風を吹き込んでいる宇佐美さん。製鉄所内の天井クレーンを操作して重さ20トン鉄のコイル(鉄板をロール状に巻いた製品)を運搬したり、出荷前のコイルに傷が付くのを防ぐための梱包作業、コイルの出荷関係の業務などを担当しています。
入社のきっかけは、就職活動中に学校の先生のアドバイスもあって参加した職場見学会でした。「見学会では、なんとなく眺めていた作業が女性の自分にもできると感じ、『仕事としてやっていける!』との思いでこの会社を選びました。」
入社後は、身近にある様々な製品の素材として用いられる鉄を扱う仕事にやりがいを感じながら、1つ1つの仕事にていねいに取り組んできた宇佐美さん。「自分たちが作業したコイルが、冷蔵庫などの家電製品や自動車の部品の一部となり、世の中で広く用いられていると思うと、大きなやりがいを感じます。日常業務では、1つ1つの作業に集中し、全力で取り組むことが、品質の向上と得意先からの信頼につながることを実感しています。得意先から品質向上への貢献が評価され、表彰状をいただいた際は、仕事に取り組む姿勢が認められたことをうれしく思い、達成感を味わうことができました。」
職場の雰囲気は、クリーンな環境で働きやすく、会社全体で若手社員を親身にサポートしてくれる温かさがあるとのこと。「いつも上司や先輩が気さくに話しかけてくれて、和んでいます。また、仕事の中で分からないことが出てきたときは、気軽に質問でき、丁寧に教えていただけるのがとてもありがたいです。たとえば、機械のトラブルなどで1人では対処できずに困っていると、『なぜそうなったか』までさかのぼって、こちらの理解を確かめながら1つ1つ教えてもらえます。資格取得のサポートもしていただいており、先日、クレーンの国家試験を受験した際も、根気よく指導していただいたおかげで合格できました。上司、先輩、同期入社の仲間など、周囲の人に恵まれ、この会社に入って本当に良かったと思っています。」
入社2年目の今年、現場配属の女性の後輩が加わって社内に「現場女子」が増えたこともあり、「さらに成長して会社の力になりたいという意識が強くなりました。」と宇佐美さん。「これからも、女性が強みを活かしながら生き生きと働ける領域が広がっていくように、まずは第一期生の私たちが頑張っていきたいです。将来的には、職場をマネジメントする役職を任せてもらえるようになることが目標です。」と今後の抱負を語ってくれました。