相乗効果で双方を成長させるワークライフシナジー
外へ目を向けることで広がった世界
現在、医療型障害児入所施設・療養介護事業所「つくし医療・福祉センター」で、介護福祉士として働く玉置さん。入社から5年余り、利用者の食事介助から口腔ケア、入浴介助、レクリエーション、季節のイベントまで、充実した日常生活のお手伝いをしながら、日々の健康維持・推進を図っています。「24歳の時に結婚して、仕事を辞めて和歌山にやってきました。5年程、妊活のために専業主婦をしていたのですが、なかなか子どもに恵まれずで…。家でそのことばかり考えるようになり、少し休憩しようと、外に出たのがきっかけです」。もともと介護の仕事に携わっていたこともあり、福祉の現場を希望。介護福祉士の資格は、同センターがサポートするスキルアップのためのプログラムを活用して、平成25年に取得しました。
事業所内保育所の新設が決断の決め手
利用者一人ひとりの状態が異なり、それぞれにあった介護が必要となる重症心身障害の現場にあって玉置さんは、難しさを感じつつも、日々勉強の忙しい毎日を送っていたそうです。「必死で働き1年が過ぎた頃、突然妊娠が発覚してビックリしました」と。待望の赤ちゃんでもあり、仕事もやりがいを感じ始めたばかり。悩みジレンマに陥りながらも、職場の上司や同僚の協力、ご主人の理解もあり、仕事と子育ての両立を決断。産休と育休を使って、職場復帰を果たしました。「決断の大きな要因は、両立のための環境。センターに新設された事業所内保育所が決め手でしたね」。一般の保育園では対応できない休日や祝日も運営。少人数で手厚く、子どもが病気になっても近くには医師も看護師も常駐。しかも事業所内だから安心です。
心の支えは職員同士の“お互い様の精神”
玉置さん自身、ワーク・ライフ・バランスの本質は“ワーク”と“ライフ”の相乗効果である「ワークライフシナジー」だと言います。バランスが取れていれば、仕事以外での時間にもゆとりが生まれ、家族と過ごす時間も有意義になり、心身の健康増進が結果的に、仕事への意欲や効率のアップにも繋がります。玉置さんは「一番の支えは職員同士の気持ち。子育て中のお母さんも多く“お互い様の精神”が浸透していて、マンパワーで助け合う意識が根付いています。私にとっては“安居楽業”の職場です」と。事業所内保育を利用している分、お迎えの時間が短縮されるから、1時間でも長く働き、職場に貢献。それが給料に還元され、暮らしの支えになるなら一石二鳥と、あえて短時間勤務制度は使わずフルタイムで働いています。